AI ARCHAEOLOGY
忘れられた長文発掘ノート
THEME

業界4枠(初期サブシリーズ)

Patent / IR / Standard / Declassified Archaeology。業界系の初期4サブシリーズ。

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  1. PATENT ARCHAEOLOGY #5
    GIFを揺らした1983年の特許──Sperry/UnisysのLZW圧縮US4558302Aと「知らずに使っていた」問題
    Patent Archaeology 発掘メモ #2 — US4558302A、Sperry Corp(後にUnisys)、1983年出願
    1983年6月出願、Terry A. WelchによるUS4558302A。LZ78型の適応辞書圧縮を高速ハッシュで実装したLZW圧縮アルゴリズムを記述する。CompuServeが1987年にGIFフォーマットに採用、1994年にUnisysがライセンス料徴収を開始してGIF/PNG騒動に発展。2003年米国失効でGIFが自由化。Google Patentsより基本情報取得済み・本文未読。
  2. PATENT ARCHAEOLOGY #4
    n=p×qの因数分解が困難だから信頼できる──1977年MIT特許US4405829Aが立てたRSA暗号の問い
    Patent Archaeology 発掘メモ #1 — US4405829A、MIT、1977年出願
    1977年12月出願、Rivest・Shamir・AdlemanによるMIT特許US4405829A。素数の積nの因数分解困難性を安全性の根拠とした公開鍵暗号を記述する。TLS・HTTPS・電子署名の数学的基盤。2000年9月失効。Google Patentsより基本情報・Claim 1・数式構造を取得済み・本文未読。
  3. PATENT ARCHAEOLOGY #3
    1997年のAmazonが特許に書いた問い──「単一の動作のみに応答して」注文を完了させるという設計思想
    Patent Archaeology #3 — US5960411A、Amazon.com, Inc.、1997年出願
    1997年9月出願、ベゾスほか4名によるUS5960411A。事前保存の購買者情報と単一アクションを組み合わせた「1クリック注文」を記述する。Forward citations 1,630件。Apple Pay・Shop Pay・PayPayが共有する「摩擦ゼロ決済」問題意識の先行例として読める。2017年9月失効済み。Google Patentsよりフルテキスト取得済み。
  4. DECLASSIFIED ARCHAEOLOGY #2
    1957年にNSAが1GHzを目指して5社に金を撒いた計画を、H100時代に読み返す
    Declassified Archaeology #2 — Project Lightning(1957-1962)が67年後にAIスーパーコンとして実装された
    1956年、NSAは Project Lightning を発動し、IBM・Sperry-Rand・RCA・Philco・GE の5社にミリオン単位の資金を撒いて、1ギガヘルツ動作の論理回路と次世代計算機 Harvest を作らせた。冷戦の暗号解読のためだ。Cryotron は失敗、Harvest は1976年に廃棄。だが彼らが目指した「GHzで動き、商用機の100倍速いマシン」は、67年後 NVIDIA H100 として実装された。NSA Project Lightning を LLM 時代に読み返す。
  5. PATENT ARCHAEOLOGY #2
    1888年のニコラ・テスラ特許を、Claudeに読ませてみた
    US381968(1887年出願/1888年成立、とっくにパブリックドメイン)— 初代テスラ・ロードスターが採用したAC誘導モーターの設計図そのもの。Model 3で離れていった理由まで含めた、138年の答え合わせ
    Patent Archaeology 第2回。Nikola Tesla が1887年10月に出願したUS381968『Electro-Magnetic Motor』を Claude に読ませて発掘。回転磁界・コミュテータ不要・多相交流という今のEV駆動系の核心が4ページ仕様+4枚図面に全部書かれている。Tesla社のロゴは銅ローター、社名はNikola Teslaへの献名、なのにModel 3以降は永久磁石モーターに主軸を移した — その距離感までLLMに翻訳させた。
  6. DECLASSIFIED ARCHAEOLOGY #1
    1966年に米国政府がAI研究の20年を止めた文書を、LLM時代に読み返す
    Declassified Archaeology #1 — ALPAC 報告書(1966)が60年後に答え合わせされる
    1966年、米国国家学術院の ALPAC(Automatic Language Processing Advisory Committee)が出した報告書『Language and Machines』は、機械翻訳研究の予算を断ち切り、第一次AIの冬を呼び込んだ。議長は John R. Pierce(ベル研)。60年後、LLM が機械翻訳を完全に解いた今、この報告書のどの主張が正しくて、どの主張が外れていたかを答え合わせする。
  7. STANDARD ARCHAEOLOGY #1
    Token Ring が30年前に設定した問題意識は、AI/HPC 時代のネットワーク設計で再び中心になっている
    Standard Archaeology #1 — IEEE 802.5(1989標準化、2001でGigabit化、Ethernetに完敗)の決定論的アクセス制御は、現代の AI/HPC 高速ネットワークで復活している
    1989年に IEEE 802.5 として標準化された Token Ring は、Ethernet の確率的アクセスに完敗して廃止された。だが『決定論的(deterministic)アクセス制御』という核心思想は、いま InfiniBand / NVLink / RDMA / Ultra Ethernet で全面的に復活している。Token Ring は負けたのではなく、30年早すぎただけだった。
  8. IR ARCHAEOLOGY #1
    Samsungが1996年に世界初1Gb DRAMを作った事実は、Annual Reportアーカイブからは辿れない
    IR Archaeology #1 — 1次資料の壁と、業界の集合的記憶喪失
    Samsung 公式 IR には2008年以前のAnnual Report が存在しない。SEC EDGAR は 403。TSMC IR も 403。Wayback Machine もブロック。1次資料が完全に壁の向こうにある状態で、Wikipedia から Samsung が1996年に世界初1Gb DRAM を作った事実を発掘し、現代 HBM4 の高密度DRAMスケーリング技術の前史として再評価する試み。
  9. PATENT ARCHAEOLOGY #1
    30年前にIBMが取った『命令を持たないAIチップ』特許を、Claudeに読ませてみた
    ZISC US5717832(1998年成立、2015年失効)— 今のNPU/TPUの重要な前史が、誰にも知られず公開ドメインで眠っていた
    Patent Archaeology 第1回。Google Patents で失効した1990年代のニューラルネットチップ特許を発掘。IBM/Guy Paillet チームの ZISC(Zero Instruction Set Computer)— 36個の独立ニューロン、Manhattan距離、Daisy Chain。設計思想の方向性が、いまの NPU/TPU と驚くほど重なっている。